【古典と和歌】結局、和歌ってどうやって読解するの?
こんにちは、ぬんける (@nunkeruinvade3) | Twitterです
今回は受験生が陥りやすい古文の
「和歌」
について解説したいと思います!
1.和歌とは
和歌を表したものに、このようなものがあります
やまと歌は、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。
力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女の仲をも和らげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり。
※仮名序のほかに真名序(漢文)もあります
つまり、人の心を動かすことができるものこそ和歌、ということです
和歌とは五・七・五・七・七で区切る歌で、主に
初句⇒二句⇒三句⇒四句⇒結句
で区切ります
2.和歌の解釈
解釈の方法については
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品詞分解をする
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語順通りに訳す
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現代語訳して不自然すぎるときは意訳
となっています
3.枕詞
下に特定の語を引きだす、五音からなる語で、
語調を整えるために使われ、口語訳はしません
例 あしびきの⇒山 峰 ちはやふる⇒神 社
たらちねの⇒母 親 ぬばたまの⇒黒 闇 など
4.序詞
枕詞の長いバージョンで、
下に特定の語を引き出す効果を持っています
定型はなく、七音以上のものが多いです
口語訳をします
4-1 比喩の用法
あしびきの/山鳥の尾の/しだり尾の/ながながし夜を/ひとりかも寝む
※山鳥…キジのような鳥 尾が長い
あしびきの~しだり尾の…序詞
あしびきの…枕詞
あしびきの⇒山につながる
山鳥の尾は長いので、ながながし夜につながるということです
長い夜をひとりで過ごす寂しさを詠った歌です
4-2 掛詞の用法
風吹けば/沖つ白波/たつた山/夜半にや君が/一人越ゆらむ
白波と竜田山の「海」と「山」の対比も一つの巧さです
そして、「風吹けば~白波」で、白波が「立つ」と「竜田山」を
かけ合わせて、「たつ」を導いています
4-3 同音反復による方法
ほととぎす/鳴くや五月の/あやめ草/あやめも知らぬ/恋もするかな
あやめ草は菖蒲のことを、あやめは物の通り、筋道を表す語です
双方を用いることで「あやめ」を導いています
5.枕詞
同音を利用して、二つの意味を表します
どちらの意味も現代語訳します
山里は/冬ぞさびしさ/まさりける/人めも草も/かれぬと思えば
草が枯る⇔人の目が離(か)る が掛っています
例:秋⇔飽き 眺め⇔長雨 松⇔待つ 行く⇔生く⇔生野 など
6.縁語
イメージが近い言葉のことで、
連想によって広がっていきます
表の意味には関係性を持ちません
玉の緒よ/絶えなば絶えね/ながらへば/忍ぶることの/弱りもぞする
緒は「魂をつなぎとめる糸」のことを暗喩しています
緒の縁語として「絶え」「ながらへ」「弱り」が書かれています
例:露…はかなさのイメージ
⇒命、置く、秋、消ゆ、結ぶ
7.本歌取りと体言止め
7‐1 本歌取り
本歌取りとは、本歌(古歌)の一節を和歌に組み入れる技法です
内容が重なり、余韻を深める効果があります
7-2 体言止め
体言止めは、最後の句(結句)を体言(=名詞など)で絞めて余韻を残す技法です
8.まとめ
今回は和歌についてまとめてみました
非常に難しいですが、語感とセンスを磨いて
和歌を楽しく読めるようにしたいですね!